人生の一大イベント「入学式」
もしかして、子供以上にママがドキドキしていませんか?
- 入学式できちんと座ってお話がきけるかな?
- ちゃんとお返事できるかな?
- 先生はどんな人なんだろう?
そもそも、朝「行きたくない!」と急にパニックになったらどうしよう…
入学式当日までどうなるか予想できないのが、発達障害やグレーゾーンの子供たち。
とにかく、目立たず無事に入学式を終わらせたい。
でも、ママが過度に緊張したり、不安な気持ちを抱えたりしてしまうと、その心は必ず子供に伝わってしまいます。
一番大切なことは、ママと子供が安心して入学式を迎えられること。
そして、子どもに「入学式が楽しみ♪」という気持ちをもたせること。
今回はどうしたらママと子どもが笑顔で入学式に参加することができるか。詳しく解説していきます。
入学式は楽しいイベント♪一生に一度のセレモニーを素敵なものにしましょう!
小学校入学式 発達障害の子どもは事前打ち合わせで安心感アップ
発達障害やグレーゾーンの子供が入学する場合、入学前に幼稚園や保育園から小学校へと情報が伝達されていることがほとんどです。
一つの園から10人以上の子どもの情報がこまかく伝えられるということもあります。
まだ顔も知らない子どもの特性を口頭や文章で伝えられても、先生の印象に残らない…というのが正直なところ。
逆に多数の園から子どもが入学してくる大規模校の場合は、打ち合わせの時間も限られていることから際立って気になる子ども、ほんの数人の情報だけが伝えられることもあります。
つまり、発達の気になる子ども全員の情報が詳しく伝えられていないということも考えられます。(特に目立ちにくいグレーゾーンの子供の場合は、軽く伝えられてしまうこともあります。)
うちの子、ノーマークだとさすがに心配…
という方は、入学前年度に学校との打ち合わせをしておくことが理想です。
たいていの場合、管理職や支援コーディネーターの先生とお話することになるかと思います。(来年度(入学後)学校にいるであろう職員が一人はいると思われます。)
また、学校の裏事情になるかもしれませんが、園からの情報や保護者との打ち合わせなどから、来年度の担任に誰が適しているのかある程度決定します。
もちろん特定の先生に決めるわけではありませんが、気になるお子さんが多いクラスになりそうな場合は、一年生の担任を何度も経験したことがあるベテランの先生が配置されることが多いです。
学校側も事前に詳細が分かっている方がいいんですね。
入学式の前に新担任との顔合わせをしよう
入学式前に担任の先生との顔合わせをしておくことはとても大切です。先生も新学期が始まる前に気になる子どもの様子はみておきたいですしね。
ただし普通学級の場合は、担任の先生と顔合わせができるのは、基本的にクラス発表の後になります。
入学式の前に新担任との初顔合わせをしたい場合は、クラス発表後に設定してもらいましょう。また、この時期は先生にとって一番忙しい時期です。
なるべく先生の都合に合わせ、日程を決めるようにしましょう
入学式前日の見学がおすすめ
発達障害グレーゾーンの子供にとって、担任の先生との顔合わせも大切ですが、それ以上に大切なことは、入学式当日の流れや場所を知っておくことです。
入学式前日の午後から夕方には準備が整っていることがほとんどですので、可能ならば体育館の見学をさせてもらいましょう。
入学式当日は大勢の児童や来賓、保護者の方がいます。卒業式ほどではないですが、厳かな雰囲気に子どもは緊張して戸惑いを感じてしまうかもしれません
また、入学式直前は、子どもは各教室で呼名の練習などを行い、保護者は別室にて待機という学校がほとんどです。
保護者が先に体育館に入り、子どもたちが入場してくるというスタイルが一般的ですので、その流れも子どもにはしっかり伝えておきましょう。
ママと離れた不安から、敏感になってしまう子供もいます。聴覚に過敏のある子どもには、入退場のときに大きなBGMや拍手で驚かないよう、事前に伝えておくといいですね。
事前に入場や退場の仕方、座る場所などが確認できていれば子どもは安心します。
また、玄関から教室までのルートや教室の様子を確認することも忘れないように。
親が学校についていけるのは入学式当日だけです。翌日からは6年生がお世話をしてくれる学校がほとんどですが、基本的には子ども自身が分かっている方がいいです。
下駄箱や傘置き場所、教室までのルート、教室での座席確認やランドセルの置き場所など、個人の場所はたくさんあります。一度確認しておくと安心です。
入学式当日は、すべての児童、保護者、先生がいつもより高揚した気分になっています。
敏感な子どもにとって、この雰囲気の中では気持ちがいっぱいいっぱいになってしまい、情報が入らないことがあります。初めてのことをこなしていくのは大変なことです。
そのための事前見学。どんな流れで何をするかということを「落ち着いた状況の時に説明しておくこと」はとっても大切!
入学式前にトイレの確認
発達障害グレーゾーンの子供に限らず、女の子のママにとって「トイレ」は大きな心配ごとの一つといえます。お子さんは和式のトイレに行けますか?
学校のトイレは和式がメインです。洋式のトイレもありますが、ほとんどの学校は洋式トイレの数が少ないです。
現代っ子。和式トイレが使えないという子どもがとても多いですが、小学校入学前には克服しておいた方がいいですね。
低学年のエリアでは洋式のトイレの前に行列…なんてことはよく見られる光景です。
入学式直前のトイレは必ず混雑します。せっかくの入学式。直前に失敗…ということにならないよう、トイレはスムーズにできるようにしておきたいですね。
制服の場合は少し大きめの制服を購入することが多いので、スカートがちょっと長くてトイレがしづらいこともあります。スカートを自分で抱えながら?できるよう練習しておいた方がいいですね。
また、鍵をかけるのが怖くてかけられない子は、事前に鍵の開閉確認を一度しておいた方がいいと思います
入学式の服は試着が肝心
当日の朝、突然「今日これを着るよ」と言われても、子どもが受け入れられないこともあります。いつもは着ない服ですからね。お母さんの和装に違和感を感じる場合も…
数日前から入学式で着る服を子どもが見える所にぶら下げ、視覚的にアピール。
そして、必ず当日までに一度は試着しておきましょう。
普段着に比べて、ごわごわ、重たい…。当日になって「イヤ!」とならないよう、素材の確認や大きさの確認をして、本人が納得いくように調整しておきましょう。
入学式は新入生グッズで気持ちUP
入学に向けて準備しなければならないものは結構ありますよね。
初めてのお子さんの場合、いろいろ大変…と感じてしまうママも多いはず。
ですが、子どもにとっては自分のための新しいグッズがいっぱい用意してもらえる機会でもあります。ランドセルや文房具だけでなく、体操服を入れる袋やズック袋。
どの用品にも言えることですが、基本的には子どもと一緒に選ぶことが大事です。
手作りグッズ(袋もの)は、6年間使うことがほとんど。先のことを思い、これでは幼いかな?と思ってしまうこともあるかと思いますが、子どもの気持ちを尊重してあげましょう。
テンションもあがりますよ。
ズック袋は入学式当日から使用します。女の子の場合、手作りしてあげると特別感もあって喜んでくれるかもしれませんね。
ぜひ、お子さんのお気に入りの布でつくってあげましょう♪
入学式の流れを視覚化しよう!
発達障害・グレーゾーンの子供は、初めてのことに不安を強く感じてしまいます。入学式はまさに初めての経験。
きっと、入学式当日は緊張状態が続きます。
小学校は保育園や幼稚園に比べて、広くて高くて…。それだけで圧倒されてしまうかもしれません。
入学式が体育館で行われる学校がほとんどだと思いますが、子どもにはとても大きな空間です。
見慣れない紅白幕。そして、2~6年生がきっちりと椅子に座って自分たちに注目している。人生初の状況ですね。
では、その初めての状況を落ち着いて乗りきるためにはどうすればいいのでしょう?
一番効果的な方法は「活動の流れを視覚的に理解させておく」ことです。
「〇〇だと思っていたのに違った!」「これから何をするか分からない!」「いつ終わるのか分からない!」
これでは、不安が増してしまいます。平常でない雰囲気ではよりいっそう、不安な気持ちが大きくふくらんでしまうのです。
以下、当日の大まかな流れです。大人用なので子どもに伝える時は分かりやすく伝えてくださいね。(学校によって少し違いますので、詳細が知りたい場合は直接先生に聞きましょう)
2.下駄箱でズックにはきかえる。※自分の場所を覚える。
3.教室へいく。
4.先生にあいさつ。座席確認。
5.(混雑するまえにトイレ)
6.呼名練習※保護者と離れなければならないこともあります
7.お友達と手をつないで体育館へ移動。※知らない子と手を繋ぐこともハードルが高い…。
8.入学式(こちらは下記参照)
9.教室にもどる
10.(クラス集合写真撮影)
11.家に帰る
12.ごほうび
【入学式の流れ】
- 入場※大きな音楽や大きな拍手、大勢の人
- 指定の場所に着席
- 国歌斉唱※聞くだけOK
- 呼名※一人一人返事をして立たせる学校が多いです
- 校長先生やPTA会長のお話など※長いので子どもにはしんどい。このあたりで、多くが飽きてきます…
- 新一年生へのプレゼント※交通安全協会からが多いです。代表の一年生が担任の先生と一緒に舞台にあがります。出席番号が1番の子どもや、壇上に上がる階段に近い子どもがする場合が多いですが、この大役に当たりそうな場合は注意
- 児童代表のお話、児童からの歌など
- 退場
学校によって少し違いはあるかと思いますが、大まかな流れを伝えることが大事です。
儀式的なことや大人の話も多いので、たいくつになってしまうかもしれませんが、とりあえず座っていればOKです。寝てしまう子供がいるぐらいですから…。
ただ、本人が関係している部分、例えば「呼名」は重要ですね。(式の前半にあります。)順番に呼ばれるのでタイミングは分かると思いますが、緊張のあまり声が出ない子どもも中にはいます。
「はい!」と大きな声で、しっかり立つことができれば、子どもの自信にもつながります。
大切なのは、がんばったあとにいいことがある、というイメージが持てること。
どんなごほうびにするか子どもと決めておけば、それだけで入学式への意欲やイメージがいいものへと高まります。
入学式をママも思いっきり楽しもう♪
入学式はどんなママにとってもドキドキわくわくですよね。グレーゾーンの子供を持つママの中には、そんなドキドキわくわくよりも「ひやひや」の気持ちが勝ってしまう方がいるかもしれません。
うちの子、入学式の間静かに座っていられるかな。ちゃんとお返事できるかな。ママはいろいろと心配ですよね。
でも、子どもはママの気持ちに敏感です。入学式は子どもにとって小学校スタートのビックイベント!不安もいっぱいだけど、わくわくの気持ちをママもいっぱい持てるといいですね♪
きっと、だいじょうぶ。
たとえ、ほんのちょっとのトラブルや涙があっても、入学式を無事に終えた子どもたちは、どの子もやりとげた笑顔でキラキラです。
人生に一度のかわいい入学式♪
思い出に残る素敵なイベントにしましょう!
おわりに
3か月の入院生活の末に、緊急帝王切開で生まれた娘。
体重は1450gでした。
緊急事態には母体を優先すると言われ、不安を抱えながら過ごした妊娠期間。
生まれてくることができなかったかもしれない娘。 声をあげて泣くことができないかもしれないと言われていた娘。
人形のように小さく、壊れてしまいそうなほど細い体でしたが、産声をあげて生まれてきてくれました。
そして、小さな手のひらを
せいいっぱい広げ
わたしの小指を握ってくれた娘。
力強い生命力を感じた瞬間でした。
入学式。
ちょっと大きめの制服を着て、体の半分以上もありそうな大きなランドセルを背負って、桜の木の下に凛と立つ娘の姿。
娘の笑顔は、キラキラしていました。
あの小さな手のひらに感じた生命力と同じくらい、娘の姿に力強さを感じました。
道のりは長かった…。
小学校入学まで、本当にいろいろありました。
でも、大きくなったね。
返事。
立派だったよ
じっと、座っていて偉かったよ。
わが子の入学式って、やっぱり特別な日ですね。
一生、忘れません。
みなさまにとっても、素敵な入学式になりますように…
ひまわり
普通の子育ての常識が通用しない発達障害グレーゾーンの子育て。そんな子供たちを育てるお母さんは、がんばっていてもうまくいかない子育てに自信を失いがちです。子供以上に、配慮やフォローを必要としているのは、もしかしてお母さんなのかもしれません。お母さんが陥りやすい心理と心が軽くなる方法についてお伝えします。