教室にいられない…ADHDの特性から見える原因と具体的な対応とは

ADHD
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  • 授業中じっと座っていられない。
  • 教室にいられず突然出ていってしまう。
  • 床に寝転がったり座っていたりする。

子どもたちは、いったいどうしてそんな行動をとってしまうのでしょうか?

勉強がしたくないから?友達が好きじゃないから?やる気がないから?

じつは、どれも違います

ADHDやADHDの傾向があるグレーゾーンの子どもが教室にいられない。

それはADHDの「特性」が深く関係しているのです。

そして、その特性を周りが理解し、正しい対応をすれば教室で授業を受けることができるようになります

今回は、ADHDの特性があるがゆえに教室にいられない、そんなグレーゾーンの子どもたちに対して、学校の先生や周りの大人はどのような対応をすればいいのか、ご説明します。

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ADHD注意欠陥多動性障害の特性から見える「教室にいられない」理由とは?

なぜ教室にいられないのか?

その理由を知るためには、まずADHDの特性を知らなければなりません。ADHDの特性があったとしても、すべての子どもが教室にいられないというわけではありません。

ADHDの特性と、子どもがおかれている学校の環境状況、何かが原因となり、子どもたちは「教室にいられない」のです。

ではまず、ADHDの特性とは、どのようなものなのでしょうか?

教室にいられないADHDの子供への具体的な対応をすぐ見たいという方は⇒コチラ

ADHD(注意欠陥多動性障害)の特性による学校での困りごととは?

ADHDには、主に大きく分けて3つの症状があります。それは、

  • 多動性
  • 衝動性
  • 不注意

1つの症状が際立って当てはまるという場合もあれば、3つとも症状が当てはまるという場合もあり、ADHDの症状は、子どもによってそれぞれ違います

また、学校の環境(教室環境や先生・友達との関係)などによって症状のあらわれ方困りごとも異なります。

では、実際にADHDの子どもたちは、学校生活のどのような場面で困り感を抱えてしまうのでしょうか。ADHDの3つの特性とともに、学校での困りごとについて説明します。

多動性の特性がある子供(じっとしていられないタイプ)

多動性の症状が強い子どもは、以下のような特性があります。

  • 一定の場所に落ちついて座っていることが難しい。
  • もじもじ体を動かしている。
  • 常に動き回りちょっかいを出す。
  • 自分の作業より他人のことが気になる。
  • ゆっくり静かに活動できない。
  • しゃべりすぎる。
  • 興味が次々に移る。
  • 順番を待てない。
  • 遊びが持続しない。

上の特性をみてもらうと分かるように、ADHDの特性がある子供にとって授業で45分間座り続けることはとても苦痛です。

貧乏ゆすりや手遊びで抑えられる程度であれば問題はありませんが、歩き回ってしまう教室の外へ出てしまうとなると、学校では問題となります。

本人の困り感だけではなく、周りの友達や先生にとっても困り感が強くなってしまいます。

とはいえ、低学年の場合、ADHDの特性があるないに関わらず、まだまだ授業に集中し続けるというのが難しい年齢。

他の誰かが立ち歩いたり、話し出したりする状況も日常的に多く、ADHDの傾向がある子供は必ずその刺激に大きく反応してしまいます

また、授業中でありながら、他の子のことが気になって気になって仕方がない、という子どももいます。外から音が聞こえて気になる…という状況もあるかもしれません。

そのような子どもは「確かめたい」という気持ちが強く、行動を抑えられません。授業中でありながら、その場に行かずにはいられない…ということが多々おこります。

もちろん、他の子がどんなことしているのかな?と興味をもつことは当たり前のことであって、とても大切なこと。

でも、次から次と友達の様子が気になり、授業中立ち歩いて見に行ってしまう…となると、自分のことができなくなってしまいます。

体だけでなく、気持ちもあっちへいったり、こっちへいったり、ささいな物音や出来事で気持ちが奪われてしまい、集中できでない状態で学習時間を過ごすことになってしまうのです。

いらいら感もつのります。

一度気になると確かめずにはいられない…。自分の行動が抑制できない…。年齢が低いほどその特性は強く出てしまいます。

衝動性の特性がある子供(キレやすいタイプ)

上で説明した多動性のある子供と衝動性の特性がある子供は、共通する部分があります。衝動性のある子供も、動きのある活動におとなしく参加することが難しいという特性があります。また

  • 質問が終わらないうちに勢いで答えてしまう
  • 思ったことをすぐに口に出してしまう。
  • 他人を妨害する。
  • 我慢ができない。
  • 気分の浮き沈みが大きい。
  • すぐに乱暴なことをしたり、乱暴なことばづかいを使ったりする。
  • 集団活動で順番が守れない。
  • 飽きっぽい。

などの特性もあります。

衝動性の特性が強い子供の場合、活動的な授業や休み時間では、友達とのケンカやトラブルが絶えません

普段の行いから周りの子供からの信頼も得られにくく、授業中のルール(先生からの質問には挙手で答える)が守れなかったり、学校生活のルールが守れなかったり場合は、まわりの子どもから非難されやすくなります

そのため悪循環に陥りがちです。

不注意の特性がある子供(ぼんやり、注意散漫タイプ)

ADHDと一口にされますが、不注意傾向の強い子どもの場合は、上で説明した多動や衝動の特性が強い子供とは、まったく逆の様子が見られます。

  • ぼんやりしていて話をきいていない。
  • 話しかけられても気づかない。
  • 一見おとなしく見える
  • 忘れっぽい
ちょっと抜けていることから「天然」と周りから思われることもあります。

しかし、実際本人は困り感を抱えていることがあり、努力しているのに忘れ物が多い物をなくしやすい整理整頓が苦手など、つらい思いをしていることがあります。

また、課題や活動を順序だてて行うことも苦手です。

ただし、このように不注意の特性が強いADHDの子供の場合は、教室を飛び出す、教室にいられない、という問題はあまり起こりません。

つまり、「教室にいられない」という理由には、ADHDの「多動性」や「衝動性」という特性が関係しているのです。

ADHDの良さ・強みとは?

ADHDの特性をもった子どもたちは、一見「我慢が足りない」「怠けている」「努力がたりない」「乱暴」というように見られがちですが、本人は、学校生活のなかで、授業で集中したり、活動したりすることに、とてもエネルギーを費やしています

実際は、とてもがんばっているのです

そして、たくさんの「良さ」があります。良さをしっかり認めることで、学校生活でも十分に力を発揮することができるようになります。

では次に、ADHDの特性ならではの「良さ」について説明します。

創造性の高さ

ADHDの子どもは「創造性に優れている」といわれることが多くあります。それは、既存のものや情報、これまでの知識にとらわれない、つまり「枠にとらわれない」という特性があるからです。

多くの子供が赤いリンゴを描きますが、虹色のリンゴを描いてみたり、しましまだったり。概念に縛られることがないので、発想がとても豊かです。

また、当たり前の意見ではなく、違った角度から意見を言ってくれたり、ユニークなアイデアを提案してくれたり、普通の子が考えられないような発想に驚かされたり、楽しませてくれたりすることもあります。

行動力がある

同じ環境でじっとしているのが嫌いなADHDの子どもたちは、とても行動力があります

世の中の人は、農民(ファーマー)か、猟師(ハンター)かのどちらかにタイプが分かれるといわれますが、ADHDの子どもたちはまさにファーマー。

とてもエネルギッシュで活動的です。正義感も強いので「ここぞ」という時には、ものすごいリーダーシップを発揮してくれることもあります。

クラス会長や運動会の団長など、適任かもしれませんね。

責任感が強い

ADHDの子どもの中には、「こうじゃなきゃダメ」という思いが強い子供がいます。

まあいいや、と適当にできないのですね。

きれいな字を書きたい…。だけど、書けない。イライラ⇒爆発。気持ちの切り替えができずに次の行動に移せない。

このような結果だけを見ていると問題があるように思いますが、人一倍「こうじゃなきゃダメ」という強い思いを持っています。

やり遂げたい気持ちが強いのです。本人の思いにマッチしたテーマを与えたり、やり遂げる機会を十分に持たせてあげると、さまざまな場面で大きな力を発揮してくれます。

達成感を味わえる機会をたくさん与えてあげてください。

感受性が強い

衝動性の強い子供は、気分の浮き沈みが激しいことがあります。たとえば、体育の時間に「ドッジボールのゲームで負けた」その悔しさから友達とトラブルになることもあります。

大げんかの末、先生に怒られて今度は一変、しょんぼり。着がえることもできず、教室にも入れない…というようなことがよくあります。

勝ちたいという強い気持ちや怒られて反省する心はとても大切。間違った行動を抑えられなかっただけです。

でも、それは経験や年齢とともに徐々に抑えられるようになります。また、気持ちの切り替えも年齢と共に早くなります。

ADHDの子どもは、ささいな感情の変化を敏感にキャッチすることができるので、いろいろな場面で繊細な思考を持つことができます

教室にいられないADHDの子どもへの具体的な対応とは?

上でも説明したように、ADHDの子どもたちのもつ特性には、多くの良さがあります。短所と思われがちな特性も、周りの理解や導き方によっては、大人になるにつれて最大の長所へと変わることだってあるのです。

「教室にいられない」そんな子供たちも、その子にあった手立てやスモールステップを続けることで、必ず教室に入って学習することができるようになります。もちろん、家庭での宿題も集中して取り組めるようになりますよ。

では、ADHDの子どもたがもつ「良さ」を最大限に伸ばしてあげるためには、大人はどのような対応で日々接していけばいいのでしょうか?

1.環境の整備

ささいな刺激(視覚、聴覚)で、集中が途切れてしまう子供の場合は、座席の場所やそのまわりの環境整備が重要です。

 

魚が好きな子供の近くに魚の本や水槽があれば、当然気になってしまいますよね。

また、周りの子供の動きや会話が気になって仕方がない…という子どももいます。このような場合

 

  • 机を集団から少し離す
  • 一番前の席にする
  • 段ボールなどで机の周りを囲う

など、なるべく集中しやすい環境にします。

もちろん、本人や保護者の方の同意、周りの児童への配慮と理解などが必要です。

それでもじっとしていられない、イライラ感が強いという場合

  • 先生に許可を得ることを条件に、決められた場所に自分から出ていけるようにしましょう。

例えば、トイレ、水飲み、保健室、図書室、相談室など。

その際、ルールを決めることが大切です。1時間に何回まで、〇分休んだら必ず戻ってくる、など。

先生同士の情報共有や連携も大切になってきますね。

また、分からないことがあったり、うまくできないことがあったりすると、すぐに投げ出してしまう子ども、興味のもてない教科に取り組めない子どもの場合は、

  • 集中できる時間内にやりとげられる課題をあらかじめ用意しておき、集中が途切れる前にやらせてしまう

というのも一つの方法です。

課題は、子供が「これならできそう」「やりたい」と思えるものに厳選し、徐々に集中できる時間の設定を長くしていきます。

この課題だけは終わらせて休憩するという約束も大事です。

また、ADHDの子どもに限らず、時計が読めない、時間の感覚がまだ分からない低学年の場合は、45分の授業で何をするか視覚的に示すことでゴールまでの見通しが持てるようになります。

  • 視覚的に「いつ」「何をするか」が一目で分かるようにする
長い針が9から12までが漢字の練習だよ♪
このような手立てがあると、集中しやすくなります。

目標の設定

教室にいられる時間が開始後10分であるならば、15分いることができたら目標達成!など、はじめから大きな目標をたてず、スモールステップでいくこと大切です。

もちろん、その目標は本人と最初に確認しておくことや、子どもと一緒に目標を立てることも大切です。

そして、その目標が達成できたときには、即座に褒めること。または、シールなどで達成を目に見える形にすることが重要です。

約束やルールは、目に見えるカードなどに書き出し、毎回確認するようにすると、少しずつ守れる回数が増えてきます。

もちろん、そのスモールステップさえ守れない日々が続くかもしれません。それでも、子供の行動を強く叱ったり、責めたりしてはいけません。

授業中、教室を出ていってしまうことはよくない行動であるということを根気強く教えていく必要があります。

正しいことを伝える。正しいことをしたときは褒める。そこには、きっと信頼関係が生まれます。

そして、子どもはいつか必ず教室にいられるようになります。

おわりに

ADHD当事者の方が書いた漫画で、こんな印象的な言葉を見たことがあります。

ADHDの人は、車に例えるとレーシングカー。

普通車である一般人に比べるとハンドルやブレーキが効きづらく細かい運転が苦手です。でもその分、エンジン性能はものすごいので、じゃまがない場所や走りやすいコースにさえ出れば、猪突猛進で進んでいくことができる。

ADHDの人に偉人が多いといわれる所以は、このような特性からなのかもしれないですね。

今はデメリットに見える特性も、いずれメリットになる…

子どもの中にある原石が、いつか輝くことを信じて。

前向きに子供たちと接して欲しいと願います。

きっと、輝くことができる

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

ひまわり

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