2年生の算数で学習する「かさ」。
ちょっと馴染みのない言葉ですが、分かりやすく言うと体積のことです。
「かさ」の学習で新しく習う単位は以下の3つ。
- L(リットル)
- mL(ミリリットル)
- dL(デシリットル)
1.2は馴染みのある単位と言えますが、「デシリットル」は日常生活で使うことはほぼありません。習った記憶がない!という方もいるかもしれませんね。
そのため、こんなこと教える必要ある?と疑問に思う方や、教え方がよく分からない!という方もいるかと思います。
そんなモヤモヤを抱えている方のために、今回の記事では「かさ」の正しい教え方や この学習でおさえておくべきポイントについて解説します。
2年生算数「かさ」教え方:かさって何?&学習のゴールとは?
算数用語である「かさ」。最初にもふれた通り、かさは「体積」を意味しています。
- 「長さ」は一次元
- 「広さ」は二次元
- 「かさ」は三次元
ちょっと難しい言葉が出てきましたが
長さ(一次元)
広さ(二次元)
については既に1年生で勉強しています。
「かさ」とだけ聞くと難しいですが、下のように図で示すと「かさ」が視覚的に理解しやすくなります。
実際に容器があればより分かりやすくていいですね。
また、この単元のゴールは以下の3つです。
2.量感(量のイメージ)を身につけることができる。
3.単位の変換ができる。(1L=10dLなど)
4.どちらの「かさ」が多いか分かる
2年生算数「かさ」教え方:単位を正しく読み書きできる!
学習の最初では、まず単位の読み方、そして正しい書き方について学習します。
- L(リットル)
- dL(デシリットル)
- mL(ミリリットル)
ちなみに、リットルは小文字ではなく「大文字」で「L」と書きます。※小文字の「エル」は数字の「1」に非常によく似ているので混乱を避けるためです。
正しく読み書きできるようになるには反復学習しか方法はありません。漢字の学習と同様、問題やプリントなどを使って練習してみてくださいね。
また、日常生活の中でよく目にする液体(ジュースや牛乳、しょうゆ、液体洗剤など)には、必ず容量が記載されています。
〇〇は何mLかな?
〇〇は何mLだね!
このような発見や驚きをともなった体験型の学習を多く取り入れると、自然と子どもは「かさ」の単位に慣れ親しんでいきます。
日常生活でよく目にする多くの液体が「mL」や「cc」、「g」で表示されています。
体験を通して「かさ」にも単位が使われるということに気づけるといいですね。
また、ccについては現時点で覚える必要はありませんが、「cc」=「mL」であることも、少し触れておくといいかもしれません。
2年生算数「かさ」教え方:量感を身につける!
正しく読み書きができるようになったら、次は量感を身につけます。量感とは「量のイメージ」です。
計器を使わずにある量の大きさの見当をつけたり,ある単位で示された量が実際の物でどれくらいの大きさになるかの見当をつけたりするための,およその感覚を量感といいます。
https://www.shinko-keirin.co.jp/keirinkan/sansu/WebHelp/02/page2_26.html
ちょっと分かり難いので例を挙げて説明します。
下の1.2、どちらが正しいですか?
- A君の家のお風呂には230Lのお湯が入ります。(満タン時)
- A君の家のお風呂には230mLのお湯が入ります。(満タン時)
答えは「1」ですよね。
家庭用のお風呂の多くが200~250Lですが、今回はそのような知識は全く必要ありません。
量感が育っていれば答えられる問題だからです。
学校の牛乳は200mLで200mLがこれぐらいだ、という感覚(量感)が育っていれば、「お風呂のお湯の量が230mLというのはおかしい!」と気づけますよね。
これが「量感」です。
量感は日常生活の中で育まれるものです。〇〇mLはこれぐらいという量感が持てることが算数ではとても重要なんですね。
「10dL=1L」を単純に丸暗記して、テストで「単位変換」が完ぺきだったとしても、量感が育っていなかったらNGと言えます。
2年生算数「かさ」教え方:単位の変換ができる。
単位の変換とは、下のようなことが理解できているということ。
1L=1000mL
1dL=100mL
デシリットルなんて日常で使わないんだから、教える必要なんてないのでは?
と思う方もいるかもしれませんが、1dLが10個で1Lであるという関係は、2年生の段階で非常に分かりやすいため、単位の換算をスムーズにさせるためには必要なのです。
単位の変換がスムーズにできるようになるには、やはり問題数をこなし慣れていくことです。
学習した直後は覚えているのですが、すぐに忘れてしまうのが子ども。
時期をあけ何度も繰り返して覚えることも大切ですが、単純に丸暗記するのはおすすめしません。
やはりこちらも体験して理解することが最も良いです。
1L=1000mL
100mLが10杯分だね!
1L=10dL
1dLが10杯分だね!
1dL=100mL
1dLと100mLは同じ大きさだ!
身近な飲み物、1L牛乳やペットボトルのジュースなど、さまざまな物で実験できるといいですね!
\家で実験&体感/
2年生算数「かさ」教え方:どちらが多い?の前に…
どちらの「かさ」が多いのか?という学習の前に、これまでの学習「長さ」や「広さ」についても軽く触れておきます。
何で「かさ」の学習で長さや広さ??と思うかもしれませんが、実は考え方としてはつながっているので重要なのです!
例えば、1年生の学習「長さ」では、下のような問題をします。
もちろん、1年生では「何cm?」など具体的なことはしません。実際に体験(体感)しながら「長さ」について学習していくスタイルですね。
そして、長さの学習で重要なポイントが
- スタート地点をそろえて「長さ」を比べる
- 同じ長さの物を使って「長さ」を比べる
ということ。
ポイント①
スタート地点をしっかりそろえてから長さくらべができる!
ポイント②
長さを比べる時に、同じ物を使って「何本分か?」で比べる!
※もちろん、鉛筆ではなく消しゴムなど他の物でもOK!
また、「広さ」の学習では下のような問題をします。
赤の部分と青の部分の「どちらが広いか?」という問題ですね。
この問題では、同じ大きさのタイルが何枚分か?で比較します。
「赤は13枚」「青は12枚」
⇒だから赤が広い!
ちょっと難しい問題だとこんな感じ↓
いずれの問題も、同じタイルがいくつ分かを考え、根拠をもって比べることができなければなりません。
つまり…
- 何となくこっちのほうが長い
- 何となくこっちの方が広い
というのはダメということですね。当然ですが…
この概念がしっかり身についていれば、2年生の「かさ」でもスムーズに理解しやすくなります。
2年生算数「かさ」教え方:どちらが多い?
さて、ようやく本題となりますが、もちろん「何となくこっちの方が多い」はダメです。
例えば、入っている水の量を比べる下のような問題↓
一見、赤のバケツの方が太いし、いっぱい入っているし…。「赤の方が多い!」と考えがちです。でも、根拠のない答えは算数的には×。
上の章で説明したように、ちゃんと根拠があって「どちらが多いか?」を考えられなければなりません。
もちろん、ここで理解させておきたいポイントは同じ大きさの入れ物を使って比べる!ということ。
違う入れ物で比べても、どちらが多いかは分からないよね!
2年生算数「かさ」教え方:まとめ
いかがでしたか?
今回の記事では2年生の算数「かさ」の教え方について解説しました。
子ども達は体験型の「かさ」の学習が大好きです。
デシリットルマスを使って、まるで実験のようだからかもしれません。
そんな生活経験の中で、子どもは確かな量感を身につけます。
デシリットルって何よ!と思っていた保護者の方も、ぜひ子どもと一緒に家の中の液体をいっぱい量ってみてくださいね!
ひまわり