繰り上がりの足し算は、1年生の算数で最初につまずく単元と言われています。
- 繰り上がりの足し算をするのに時間がかかる
- 繰り上がりの足し算を間違える
- さくらんぼ計算が理解できない
そんな子どもについイライラ…。どう教えたらいいの?と悩む保護者の方も多いのではないでしょうか。
じつは、簡単なようでとても奥が深い繰り上がりの足し算。
算数の基本とも言える繰り上がりの足し算は、教え方を間違えると算数嫌いの原因になってしまうこともあります。
今回は、算数の苦手を絶対に生まない!繰り上がり足し算の正しい教え方の手順やコツを徹底的に解説します。
最後にもリンクが貼ってあります^^
繰り上がりの足し算【計算カード】は間違った勉強法!?
突然ですが、繰り上がりの足し算がスムーズにできない子供に、計算が遅いから、計算が苦手だからと、計算カードを何回もやらせる方法はおすすすめしません。
むしろ、そのやり方は間違っているといえます。
繰り上がりの足し算を克服するために、計算カードをひたすらやらせているという方は、すぐにやめましょう。
学校から毎日のように宿題で出される計算カード。確かに、集中的に訓練することで計算のスピードはアップします。
そのため、「とても効果がある」と思われますが、ここには ある落とし穴が…
実は、繰り上がりの足し算が苦手な子どもの場合、スピード重視になりがちな計算カードを毎日させてしまうと、ただの丸暗記になってしまう恐れがあるのです。
これは、二年生のつまずき単元「九九」でも、あるあるな現象といえます。
と、思ってしまいますが、これは錯覚。繰り上がりの足し算の概念が育っていない可能性が高いのです。
短期的に丸暗記しているだけの場合、しばらく計算カードをやらないと、計算のスピードや正確性は確実に落ちます。そして
- 繰り下がりの引き算で混乱する
- 二年生になって忘れている(またできない)
というような現象が起こるのです。
なぜ、このようなことが起こるのか?
それは、前段階の学習である「繰り上がりのない計算」(合わせて10までの計算)で
が、しっかり身についていないからです。
繰り上がりの足し算 正しい教え方とは?に不可欠!数の合成と分解とは?
上で説明した通り、繰り上がりの足し算を定着させるためには、まず「数の合成」と「数の分解」が十分に理解できていることが大前提となります。
という方もいるかと思いますので、簡単に説明しますね。
数の合成と分解
10は、「6」と「4」を合わせた数
10は、「6」と「4」に分けることができる数
大人にしてみたら、とても簡単なことですよね。
また、このように、数図ブロックなどの具体物を使えば、多くの子どもが理解できます。
では、以下2つのことを瞬時にお子さんは答えることができますか?
- 6はあといくつで10になる?(数の合成)
- 7は3といくつに分けられる?(数の分解)
このように問われると、一瞬「ん?」と、なってしまうお子さんも多いのではないでしょうか?
実は、この2つのことが「瞬時に答えられる!」ということが、繰り上がりの足し算がスムーズにできるようになるための絶対条件なのです。
逆に、繰り上がりの足し算ができない一番の原因は、この「数の合成」や「数の分解」を頭の中でスムーズに処理できていないから。
そのため、繰り上がりの足し算を完璧にマスターするためには、数の合成と分解をしっかり理解し、スムーズに処理できる必要があるのです。
では次に、繰り上がりの足し算に必要な、「数の合成」と「数の分解」をどのように定着させればいいのか、具体的な勉強法について説明します。
繰り上がりの足し算【ステップ①】あといくつで10になる?
繰り上がりの足し算、6+5= を例に挙げて説明します。
視覚を伴う動作がとっても重要です。
繰り上がりの足し算では、「10」を作ることが基本になります。この例題の場合、まず最初に
- 6はあといくつで10になるか?(数の合成)
を考えます。
6は、あと「4」で10ですね。
もちろん6以外の他の数字であっても「あといくつで10になるか」が、繰り上がりの足し算では重要です。
そのため、繰り上がりの足し算で、あわせて10になる組み合わせ暗記は必須となります。
どうしても覚えられないという場合は、オリジナルの語呂合わせで覚えてもよし!
youtubeで楽しく歌って覚えるというのも一つの手だと思います。
ちなみに、10になる組み合わせを丸暗記するだけでは、実際の計算が早くできるようにはなりません。
繰り上がりの足し算【ステップ②】いくつといくつ?
次に「数の分解」につい説明します。
さきほどの6+5= を例に挙げて説明します。
繰り上がりの足し算ステップ②は、数の分解です。
2.5は4といくつに分けられる?(数の分解)
を考えます。5は4と「1」に分けられますね。
これは、下図を見ると分かるように、10を作れば自動的に「1」残るので、数図ブロックがあれば、簡単にできます。
最初は必ず数図ブロックを使い、子どもにブロックを動かせます。
繰り上がりの足し算ステップ①は赤の部分。繰り上がりの足し算ステップ②が水色の部分ですね。
ちなみに、このステップ①と②は、ほぼ同時に「見た瞬間に」頭の中で考えられるぐらいになることが理想です。
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