これから非常勤講師で働きたいと思っている方にとって、「非常勤講師のお給料事情」はとても気になるところですよね。
非常勤講師の年収は自治体や働き方によって異なりますが、ざっくり200万程度です。
今回はそんな疑問をお持ちの方のために、現役の非常勤講師である私が「収入」を公開いたします。
あくまで私のケースですが、これから非常勤講師として働きたい!と思っている方の参考になれば幸いです。
ちなみに、私は「公立小学校の非常勤講師」として現在勤務しています。
公立の小学校・中学校・高校で勤務される方は、だいたいこんな感じになるかと思います。
非常勤講師の年収は?
直近である2023年の年収について記載しますね。2023年分の合計は
2,096,492 です。※23年は例年より勤務時間が少なかったため、少し低かったです。
一応、勤務時間に関する基本情報も記載しておきます。今年は勤務校が3校。異動の多い年でした…💦
勤務時間には制限があり、私の場合は「週19時間」がMAXですが、それぞれ勤務時間が異なります。
- A校:3学期(週5日勤務・週19時間勤務)
- B校:1学期(週5日勤務・週16時間勤務)←時間割の都合でMAX働けていません。
- C校:2学期(週5日勤務・週18時間と週19時間。隔週で勤務時間が変更)
1年通して週19時間(MAX勤務)することができていたら、15万ぐらい年収が上がっていたかもしれません。
非常勤講師の時給は?
私は時給「2840円」です。
地域によっては、勤務年数によって時給が年々上がっていくところもあるようです。
東京では1,880円~3,360円と経験によって時給が上がっていくので嬉しいですが、最初は安いですね。。。
ただ、東京は週26時間まで1日8時間までの勤務が可能ですので、自分で勤務時間を調整できます。
私の自治体では経験年数に関係なく一律同じ値段です。
時給は自治体によって異なりますが、全国的に2800円から3000円ぐらいが多いようです。
市区単位で非常勤講師を採用しているところもあり、私の勤務する学校のお隣の地区では2870円です。(時給30円高い)
下の図でいうと、私が「あ市 教育委員会」でお隣が「い市 教育委員会」といった感じで、時給が異なるということですね。
ちなみに「青」は同じ教育事務所管内です。(教育事務所がない自治体もあります)
なので、最初は同じ非常勤講師、しかも同じ教育事務所管内なのに
「なぜ時給が違うんだろう?」
と思っていたのですが、「い市 教育委員会では」市費で非常勤講師を独自に採用しているんですね。
つまり、採用枠が異なるということです。
また、教育にある程度予算が組める市区教育委員会が独自で採用している場合は、都道府県の教育委員会採用の場合より若干高めに設定している場合が多いようです。
なぜなら現在、どこの地域も講師不足に悩まされています。まさに非常勤講師は奪い合いの状況。実際、講師の囲い込みもあります。(隣の市で昨年採用されていた人を今年こちらで採用するというようなことは暗黙の了解でNGだそうです。同じ教育事務所管内なんですけどねー)
予算の組める市区では、少しでも時給を上げて採用したいという思いがあるのかもしれません。
ただ、都道府県採用と市区採用で大きな差を生まないように設定はされているそうなので、そこまで時給での大きな差はありません。
数十円の差ですが、年間にすると2万円程度年収はUPします。
非常勤講師 ボーナスは出るの?
正職員のボーナスは、「期末手当」と「勤勉手当」ですが、非常勤講師(会計年度任用職員)は、期末手当のみの支給となります。
私の場合、12月に期末手当が支給されました。
155,788 です。
期間別割合は 0.6
期間別支給割合 1.325
非常勤講師は交通費支給あり?
交通費は支給されます。
「通勤日数×〇〇円」といった計算がされます。
私の場合は自家用車での通勤です。自宅から勤務校までの距離で若干支給額が変わってきます。
車で15分かかるかかからないかの近場なので、1日100円~250円程度です。
今年は年間で合計約3万円支給されました。
ここ数年ガソリン代が高騰しているので、何年も(何十年も!?)改定されていない交通費の基準を変えて欲しいものですが…。
では次に、非常勤講師の社会保険料等について解説します。
非常勤講師は扶養の範囲内で働ける?
上の章でも説明した通り、非常勤講師の時給は一般的なバイトに比べるとかなり高時給です。
そのため、短時間労働ではありますが「扶養の範囲内で働く」というのが現実的に難しいです。
とは、正直ちょっと言いづらいですよね。(このご時世ならそれでも雇ってくれそうですが)
つまり…たいていの場合は、非常勤講師で働く場合は扶養から外れることになるかと思います。
また、うちの自治体では「週19時間」という上限も決められています。
なので、非常勤講師は自営業者と同じ第1被保険者となります。(下図参照)
ちなみに、常勤講師は正規職員と同じ「第2号被保険者」となります。第2号者になるための条件は
- 週の所定労働時間が20時間以上あること
- 賃金の月額が8.8万円以上であること
- 学生でないこと
です。
- もうちょっと収入をあげたいから週30時間働きたい!
- 厚生年金に加入したいから週25時間で働きたい!
などと自由に決めることができないのは、この「週20時間以上」で厚生年金加入となってしまうことが関係しているのです。
この条件に当てはめないようにするために、非常勤講師の勤務時間は「週19時間が限度」となっています。
実際には20時間以上働いてるじゃん😤将来のためにも厚生年金に加入させて欲しい!
と言いたいところですが、自分で選んだ働き方なので文句は言えませんね…。
個人的には、厚生年金の加入や、勤務時間が自由に決められれば「非常勤講師」という働き方をしたいと思うペーパーティーチャーも、もう少し増えるのではないかと思っています。
いつか時代が変わり、そういう状況がくるといいですね。
ただ現状としては私は厚生年金に加入できないので、将来については今のうちから考えておく必要があります。
年金受給額が少ない…と心配な方は、新NISAを使って資産を構築しておけば安心ですね。
資産運用の知識は必須です
非常勤講師の社会保険料事情
上の説明で非常勤講師が「第1号被保険者」であることが分かったかと思います。
正規の教員や、会社員の場合は「第2被保険者」なので、お給料から自動的に厚生年金や健康保険料が毎月引かれます。
しかし、第1被保険者の場合は社会保険料などを自分で納入しなければなりません。(納付書が自宅に送られてきます。)
自分で支払わなければならないのは以下の2つ
- 国民年金保険料
1カ月あたり16,520円(令和5年度)
※全国民一律 - 国民健康保険料
地域によって基準が異なります。また、収入・年齢より異なります。
以下でもう少し詳しく解説します。
非常勤講師 国民年金保険料は年間でいくら?
いわゆる「国民年金」ですね。
国民年金保険料は毎年金額が変わります。令和5年度は1か月16,520円でした。
年額にすると198,240円です。
付加保険料(月額+400円)だと、年額203,040円です。(私はこちらです)
第1号被保険者の場合は、公務員や会社員のようにお給料から自動的にひかれることはないので自分で納入する必要があります。
第3号→第1号、第2号→第1号
など、立場に変更があった場合、日本年金機構から郵送で納付書類が送られてきます。
口座振替やクレジットカードでの納付も可能です。
また、「前納」でまとめ払いすることも可能です。(※半年分、1年分、2年分など。)
2年分まとめて「前納」するとトータルで16,000円お得になります。
毎月コンビニなどで支払うこともできますが、払い忘れが気になる人は振替やまとめ払いがおすすめです。
付加年金
第1号被保険者の方は知っておくべき情報なので補足説明しておきます。
付加年金とは、基本の国民年金保険料(令和5年度は月額16,520円)に+400円保険料を上乗せして支払うことで、将来受け取れる年金がUPする制度です。
第1号被保険者の人しか支払うことができない保険料で、申し込みは任意です。
付加保険料を支払っていると、「200円×付加保険料納付月数」将来の年金額が増額されます。
例えば、20年付加保険料を払った場合
200円×(20年×12カ月)で年額48,000円(月額4000円)年金額がUPする、といったイメージですね。
自分が支払った付加保険料は2年で元が取れます。
厚生年金がない第1号被保険者は少しでも将来もらえる年金額を増やしておきたいので、微々たる額かもしれませんが、ぜひ付加保険料も払っておいてくださいね。
申込先は市区町村役場です。
紙一枚でできる簡単な手続きですので、時間のある時にしておくといいかと思います。
非常勤講師 国民健康保険料は?
国民年金保険料と違い、国民健康保険料は人それぞれ金額が異なります。
- お住まいの地域により保険料が異なる
- 年収によって異なる
- 年齢によって異なる(40歳以上かどうか※介護保険料が含まれるかどうか)
非常勤講師をされている方は複数の収入源(他に本業があったり、個人事業主である)場合も多いので、本当に人それぞれです。
とは言え、いくらぐらいなのか気になるかと思いますので、以下の表を参考になさってくださいね。
非常勤講師の場合、赤枠の部分が目安です。
40歳以上であれば全国平均で月額14,744円(年額176,928)
39歳以下であれば全国平均で月12,046円(年額144,552)
第2号から第1号に代わると、国民年金や健康保険料は本当に高い!と感じるかもしれませんが、未納だけは避けてくださいね。
老後のことだけではなく、万が一事故にあって障害者になってしまった時などの保障がなくなってしう場合もありますので。
非常勤講師の年収と手取り
最後に。。。
結局、非常勤講師の手取りはいくらぐらい?という方のために大まかにですがまとめておきます。
年収
約200万~230万ぐらい
社会保険料(全国平均より)
・国民年金保険料 約20万
・国民健康保険料 約16万※収入が非常勤講師のみなら。
手取り
170万~190万ぐらいになります。
非常勤講師 給料 まとめ
あくまで私のケースでしたが
いかがでしたか?
非常勤講師の時給は高いけれど、年収や手取りは決して高くはありません。
でも、夏休みあり、冬休みあり、春休みあり。
なかなか、こんな働き方はできませんよね。
基本的には午前中のみの勤務であるため、子供との時間や趣味の時間、他のお仕事、いろいろな人とのかかわり…
これらの有意義な時間がもてることは、私にとって「お金」以上の大切なものだと思っています。
もし、非常勤講師として働いてみたいなぁと思っている人は、ぜひ一歩踏み出して欲しいなぁと思います。
この記事が少しでも参考になれば幸いです。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました!