小学一年生の算数。
簡単な学習だと大人は思いがちですが、実は子どもにとってのつまずきポイントが意外に多くあります。
一年生の算数で最もつまずきやすい単元といえば
- 繰り上がりの足し算
- 繰り下がりの引き算
いわゆる「さくらんぼ計算」の学習です。
でも、それだけではなく
- なんばんめ
- なんじ、なんじはん、なんじなんぷん etc…
これらの単元もつまずきやすい内容となっています。
何でこんな簡単なこと分からないの?
もしかして、うちの子すでについていけてない?
このように、なかなか理解できない我が子にイラだちや不安を感じてしまう親も多いのではないでしょうか?
また、大人としては簡単な内容がゆえに
どうやって教えたらいいの?
と悩んでしまう人も多いようです。
今回の記事では、そんな悩みをお持ちの方に
- 小学一年生の算数でつまずきやすい(単元)内容は?
- 分からない子どもが分かるようになる「正しい教え方」とは?
について解説していきます。
ぜひ、参考になさってくださいね。
繰り上がりの「足し算」「引き算」の教え方について知りたい方は「さくらんぼ計算」の記事に詳しく書いてありますので、こちらの記事をお読みください↓
1年生の算数でつまずきやすい内容(単元)とは?
はじめに、小学校一年生の算数ではどんなことを学習するのか?
また、どの内容(単元)で子どもがつまずきやすいのかをお伝えします。
小学一年生の算数 内容は?
1年生の算数で習う学習単元は以下の通りです。
出版社によって表現が多少異なりますが、学習内容としては同じです。
特につまずきやすい単元はマーカー線。
※クリックすると説明箇所へジャンプします。
1.なかまづくりとかず |
2.なんばんめ |
3.あわせていくつ ふえるといくつ |
4.のこりはいくつ ちがいはいくつ |
5.どちらがながい |
6.わかりやすくせいりしよう |
7.10よりおおきいかず |
8.なんじなんじはん |
9.3つのかずのけいさん |
10.どちらがおおい |
11.たしざん:くりあがりのある足し算(さくらんぼ計算) |
12.かたちあそび |
13.ひきざん:くりさがりのある引き算(さくらんぼ計算) |
14.おおきいかず |
15.どちらがひろい |
16.なんじなんぷん |
17.たしざんとひきざん |
18.かたちづくり |
では、次に「つまずきやすい単元」をどう克服するか。
それぞれの単元について解説していきます。
※クリックで読みたい単元にジャンプできます。
1年生算数つまずき単元「なんばんめ」正しい教え方は?
こちらの単元でつまずいた場合、具体物(数図ブロック)を使ったり、絵をかいて説明することが必須です。
丁寧にゆっくり学習すれば必ず解けるようになります。
また、同様の問題を繰り返し学習することも大切ですよ^^
\家に1セットあると便利/
1年生算数「なんばんめ」教え方ステップ①何番「め」を確実に!
最初に基本となるのが
「め」がどこか?
というのが分かること。
例えば、右から〇番目、左から〇番目、上から〇番目、下から〇番目などですね。
「上から何番目、下から何番目」の問題の時はブロックを縦においてくださいね。
まず、ブロックを人差し指で触りながら、ブロックが全部でいくつあるか数えさせます。
口頭でいいので、左から三番目はどこ?などと問いかけ、下の写真のように「め」と書いた付箋を子どもに貼ってもらいます。
付箋を貼ることで視覚的に「め」の位置がどこかということが理解できます。
ブロックの数を変えたり、何番目の数字を変えたりして何問か繰り返すと分かるようになってきます。
また、この単元で問題が解けない子どもの意外なつまずきポイントとして
左右がまだ分かっていない…。
という場合があります。
算数以前の問題ですね…
左右をしっかり理解していない子どもの場合は、ブロックを置いたあと
右はどっち?左はどっち?
という質問をし、なんばんめの問題をする前に必ず左右を子どもに答えさせるようにしましょう。
どうしてもあやふや…という子どもの場合は、写真のように「みぎ」「ひだり」を書いて「なんばんめ」の学習に集中するのも一つの方法。
とはいえ、遅くとも1学期中には左右をしっかり身に付けさせたいですね。
また、問題によっては、「まえ」「うしろ」を理解していなければならない問題が出てきます。
このような問題があったとき、車がどちらの方向に進んでいるのか、どちらが前か、をしっかり確認してください。
前ってどっち?
というところでつまずいている子どもにとって、この問題はとても難しいのですね。
まさかそんなところでつまずくとは…。
そのため、前後を問う問題の場合は「まえ」「うしろ」がどちらか?ということを確実に理解させたうえで問題に取り組んでくださいね。
1年生算数「なんばんめ」教え方ステップ②文章問題は内容理解を優先する!
なんばん「め」の基本が理解できたら、あとは実際に文章問題に取り組みます。
問題のパターンが決まっているので、当然ながら例題をたくさんこなせば理解度も深まります。
が!
文章問題になると国語力の問題もからんでくるので
- 文章の内容が理解できない…。
- 何を問われているのか理解できない…。
という、また別の問題が起こってきます。
1年生あるあるですね…
特に1年生の場合は、算数以前に「国語力」に問題があるケースも多く見られます。
もし、まだ文を読むことに慣れていないという場合は
- 最初に大人が文章問題を読む
- 子どもに復唱させる
まず耳から文章問題の内容を入れ、何を問われているのか?ということを理解しやすくしてあげます。
音読の練習にならないように注意しましょうね。(ついついそうなりがちですが…)
問題文章を解くときは、まず区切って問題を読むこと。
また重要な部分に下線を引くなどの工夫もしてあげるといいですよ♪
こちらのような問題も、最初は数図ブロックや付箋を使って「あいさんがどこにいるのか」視覚的にしっかり理解させます。
そのうえで、「あいさんの前に何人いるのか?」と子供に問います。
文章だけでは分からない場合は、やはり絵を描いてあげることが一番。
あいさんがどの人か子どもに〇印をつけさせるなどの工夫で一気に理解度があがりますよ^^
1年生算数つまずき単元「時計が読めない」正しい教え方は?
特に教えることなく小学校入学前に覚えてしまう子もいる「時計の読み方」。
一方で、苦手な子は3年生や4年生になってもちょっとあやふやな子もいます。
実は
- 時計が読めない
- 時計の読み方に自信がない
というお子さんはけっこういるんですね。
では、なぜ「時計が読めないのか」
- つまずいているポイント
- 時計の読み方(正しい教え方)
について詳しく解説していきます。
1年生算数「時計」教え方ステップ①時計は右回り
1年生の算数「時計」の単元には
- なんじ なんじはん(時計1)
- なんじなんぷん(時計2)
があります。
しかし、その学習の前に理解しておいてほしいことがあります。
重要ポイントは3つ!
- 時計の針は「右回り」であることを体感させる(時計まわりを確認)
- 時間が「すすむ」は右回り
- 30分「前」は左回り。30分「後」は右回り。
大人にとっては当たり前!ですよね?
ですが、時間を読むのが苦手というお子さんは、このような点を理解していない場合が多いです。
なので「時計が読めない…」というお子さんには、まず 時計の針が右回りに動くことを実感させましょう。
・そのうち分かるだろう
・何となく時計が読めるようになった
という程度では、さらに複雑になる2年生の時計の学習で再びつまずいてしまいます。
時計の単元はあまり時間をかけないので「なんとなく…」で終わらせてしまうと、高学年になっても
今から45分後が何時何分か?
が、すぐに分からないというような状況に陥ります。
そんなことにならないためにも、しっかり1年生のうちに定着させましょう♪
幼児向けと思われるかもしれませんが小学生でも十分使えます↓
\右回りをしっかり体験!/
また、1年生の「時計」の学習では、時計が読める(時間がわかる)ことが目標ですが
- 右回り=「時間がすすむ」
- 30分後=30分時間が進む=右回り
という概念をしっかりすりこむことも大切です。
※単純に時計が読めるようになったからOKではないです…。
なぜなら、2年生になって
というような問題の時に
2時半!
と答えてしまう子がいるんですね。
何で!?と思わずツっこみたくなりますが…。意外と理解していない子が多いです。
それは「後」を「時間が戻る」・「後ろに戻る」と考えてしまうのが原因です。
「30分後」が「後ろ」か…。だから時間を戻しちゃうのね。
このポイントをしっかり押さえてから次のステップへすすんでくださいね^^
1年生算数「時計」教え方ステップ②短針の位置に注目
時計の読み方を教える時に、まずは「●時」が理解できるようにします。
つまり短針の位置ですね。
短い針と長い針の区別がついているか、しっかり確認しましょう!
下のようなプリントでは、まず短針の位置だけに注目させます。
参照:ちびむすドリル
この場合、白い針が短針ですね。
短針が9を過ぎていたら9時、12を過ぎていたら12時。
これが時計を読めるようになるためには「最重要!」
できるまで徹底的に繰り返します。
とはいえ、短針の位置を見て「●時」が分かるようになるというのは、子どもにとってハードルが高い…。
特に、時計が読めない子どもが一番苦労するのは下の図のような時間です。
- 短針がギリギリ12を過ぎていない。
- 短針がギリギリ3を過ぎている。
特に上図の左のパターンは間違いやすい時間です。
時計が読めない子は、このような時間を読むのがとっても苦手なんですよね…。
では、迷うような位置に短針がある時はどうすればいいのか?
時計が読めない:「●時」迷った時の対処法
短針だけで「●時」を判断できないときは
長針にも注目させましょう!
長針が「12」より左にあるのか、右にあるのか。
その位置の確認だけ行います。
※この段階で「●分」が分からなくても全然OK!
長針と同じ方向に短針も動かしてみる!
と考える。
何問か同様の問題をすると2つの矢印が同じ方向(左回り)に動く感覚が直感的に身に着きます。
微妙な時間もすぐに「●時!」と答えられるようになりますよ^^
長針が12より「左側」なら、短針も左回りに少しだけ動かして考えてみよう!
クイズっぽく「●時」が理解できるようになるといいですね♪
時間ごとに色分けされている時計の教材を使えば「●時」がすぐ理解できるようになりますよ♪
1年生算数「時計」教え方ステップ③「何分」が分かる
いよいよ最終ステップ
「●分」をどう教えるのか?について解説していきます。
1時間は60分なのに、時計には1~12の数字が書いてあります。
そりゃ…子どもは迷っちゃいますよね。
ではさっそく、ステップ形式でご説明します。
「●分」の学習では、最初はすべてに目盛りのある時計(プリントなど)を使用します。
参照:ちびむすドリル
時計がよめない:「何分」が分かる!ステップ1
ちなみに、「●分」の学習をするときも、下の1、2のステップを毎回確認してくださいね!
- 短針と長針の区別がつく
- 短針の位置から「●時」が分かる
時計がよめない:「何分」が分かる!ステップ2
全て目盛りのある時計を読むのに慣れてきたら、次は下のような時計にステップアップ♪
だいぶ目盛りの数字が減ってきましたね。
目盛りが細かいプリントなどは拡大コピーをしてストレスを減らしてあげましょう!
ちょっとした配慮が大きな成果を生みますよ♪
時計がよめない:「何分」が分かる!ステップ3
ステップ2が完璧になったら次はコレ↓
このようなプリントを使って覚えるまで繰り返し学習しましょう!
特に、0、15、30、45分は大事な数字なので即答できるぐらいがいいですね^^
時計がよめない:「何分」が分かる!ステップ4
そして、最後は何もないパターン
これができればもう完璧!!
時計が読めるようになりましたね♪
ここまで学習がすすんだら、あとは時計の問題を繰り返し解きましょう!
時計がしっかり読めるようになります^^
また、プリントだけでなく実際の時計(自宅にある時計)で
今、何時?
と、楽しい雰囲気で問いかけてみてくださいね♪
デジタル時計しか家にない…
という方はアナログ時計を購入するといいかもしれませんね^^
1年生算数 ついていけない:まとめ
今回は、1年生の算数でつまずきやすい単元「なんばんめ」と「時計」について特に詳しく解説しました。
子どもならではの感覚があるからこそ「つまずくことがある」ということがお分かりいただけましたか?
文章を読むだけで大変。文章をなかなか理解できない。
個人差の大きい1年生では、まだまだそのような子どもは多くいます。
学校の授業のスピードについていけない子が約1割いるともいわれています。
でも、ゆっくり丁寧に…
その子にあった教え方で時間をかけて学習すれば、理解することができます。
周りの子より理解するのにちょっと時間がかかるだけ…
これからの学習に対する苦手意識を持たないためにも、低学年でのつまずきはしっかり克服しておきたいですね
なかなか分かってくれない…
そんな子どもに教えることは本当に大変ですが、その分成果が大きく出るのも低学年です。
あきらめず、ぜひお子さんの学習に楽しく向き合ってみてくださいね^^
ひまわり